瀬戸内海に浮かぶ長島という小さな島で過ごしてきた70数年と10歳までの父母や祖父母と共にあった記憶を綴る。家族との別れや長島愛生園に入園してまもなく重症の足のことで仲間内から苛めにあうなどつらい経験も数知れない。それら過去から現在までをすべてのみ込むようにしてこんなにも心豊かで優しい日々を営んでいらしゃる。
宮﨑かづゑさんの歩まれてきた長い道には灯りがいくつも点っている。出会った人々ひとりひとりの分だけ、読んできた本の数や喜怒哀楽した分だけ点っている。道は後年になるほどますます明るく照らされ広くなっていく。ガンで亡くなった親友西トヨさんとの最期の時を綴った「あの温かさがあったから生きてこれたんだよ」はトヨさんの人柄も相まってひときわ強い光を放つ。掉尾を飾るのは亡き親友に贈られたかづゑさんの詩。これこそ絶唱というものだろう。
宮﨑かづゑさんの歩まれてきた長い道には灯りがいくつも点っている。出会った人々ひとりひとりの分だけ、読んできた本の数や喜怒哀楽した分だけ点っている。道は後年になるほどますます明るく照らされ広くなっていく。ガンで亡くなった親友西トヨさんとの最期の時を綴った「あの温かさがあったから生きてこれたんだよ」はトヨさんの人柄も相まってひときわ強い光を放つ。掉尾を飾るのは亡き親友に贈られたかづゑさんの詩。これこそ絶唱というものだろう。