昨日ある用件で鈴木瑞穂さんと電話で話した。ふとしたきっかけから自伝や伝記の話題になった。俳優の自伝も数えきれないほど読んできた読書家が一番に推すのは山口百恵さんの『蒼い時』だった。
共演したドラマ「赤い絆」の撮影当時、百恵さんはこの執筆を依頼されて書こうか書くまいか迷っていたらしい。引き受けたならば過去も現在もさらけ出し、嘘偽りのないものにしたいとの思いから相当の覚悟が必要だったのだ。瑞穂さんは書くことをすすめ様々なアドバイスもされたという。一分の気取りもなく、肉親の愛憎と痛み、性、結婚、仕事などすべてあるがままに綴られたこの一冊こそ自伝の白眉だと、電話の向こうの名優があのバリトンで話す。さっそく手に入れて読み始めた。
書き出しから引き込まれた。どのページからも百恵さんの覚悟と潔さが伝わってくる。同時に人間性も。おそらく百恵さんはこの本を出したことで世間に着せられたスターという重くて窮屈で通気の悪い衣装を脱ぎ捨てたのだ。文庫で40年に渡るロングセラーとなっているのもうなづける。「文は人なり」は至言である。
共演したドラマ「赤い絆」の撮影当時、百恵さんはこの執筆を依頼されて書こうか書くまいか迷っていたらしい。引き受けたならば過去も現在もさらけ出し、嘘偽りのないものにしたいとの思いから相当の覚悟が必要だったのだ。瑞穂さんは書くことをすすめ様々なアドバイスもされたという。一分の気取りもなく、肉親の愛憎と痛み、性、結婚、仕事などすべてあるがままに綴られたこの一冊こそ自伝の白眉だと、電話の向こうの名優があのバリトンで話す。さっそく手に入れて読み始めた。
書き出しから引き込まれた。どのページからも百恵さんの覚悟と潔さが伝わってくる。同時に人間性も。おそらく百恵さんはこの本を出したことで世間に着せられたスターという重くて窮屈で通気の悪い衣装を脱ぎ捨てたのだ。文庫で40年に渡るロングセラーとなっているのもうなづける。「文は人なり」は至言である。